ナカムラ ハルヒコ   NAKAMURA HARUHIKO
  中村治彦
   所属   医学部医学科 呼吸器外科
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発表タイトル 呼吸器外科臨床実習における自己主導型学習スキルの実践
会議名 第31回日本呼吸器外科学会総会
主催者 埼玉医科大学国際医療センター
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎望月篤, 多賀谷理恵, 新明卓夫, 安藤幸二 ,佐治久, 栗本典昭, 中村治彦
発表年月日 2014/05/30
開催地
(都市, 国名)
東京
学会抄録 日本呼吸器外科学会雑誌 28(3),56 2014
概要 (目的)自己主導型学習スキルとは,学習内容および学習方略の選択,進捗状況の管理といったスキルを指し,自己主導的な環境で学習を継続することで向上すると考えられている.卒前の臨床実習において自己主導的な学習環境を実現するため学習者に到達目標と方略の選択権を委ね,考察により進捗状況を確認し行動計画を立案するといった教育手法の有用性を検証した.(方法)2013年度医学部第5学年の臨床実習で呼吸器外科を選択した39人を対象とした.実習開始時に学生が到達目標と方略とを立案させ教員と確認した.毎日の行動計画は病棟内に掲示し全病棟スタッフに明示した.実習終了後は考察と翌日の行動計画とを記載させ,手術見学レポートは手術内容に加え手術を通しての考察を記載させた.行動計画と手術レポートは形成的評価を記載し返却した.最終日には,全体の考察と今後に向けての改善策とを記載させ,教員は総括的評価を加えた.(結果)総括自己評価では,到達目標に完全に到達できたとした者が5.1%,ほぼ到達できたとした者が94.9%であり,到達できなかったとした者はいなかった.到達目標では知識の獲得を挙げた人が多く,「肺癌,気胸,縦隔腫瘍の手術適応について説明できる」が78.9%と最多であった.一方,技能領域では「基本的外科手技が行える」が28.9%に留まった.(考察)実習内容を学生が自己主導的に立案することは臨床実習への意識と態度に強く影響したと考えられた.しかし,目標設定の難易度には個人差があり,学習者による適切な目標設定やモニタリングには,学習者の能力に合わせて教員が介入する必要があると考える.