オオヌマ ヒロユキ   ONUMA HIROYUKI
  大沼弘幸
   所属   医学部医学科 整形外科学
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 陳旧性前十字靭帯付着部剥離骨折と内側側副靭帯損傷後に発症したPellegrini-Stieda病の治療経験
会議名 第175回神奈川整形災害外科研究会
学会区分 研究会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎門松亮明, 大沼弘幸, 浅野孝太, 黒屋進吾, 小泉英樹, 鈴木開, 塚原拓也, 松下和彦, 仁木久照
発表年月日 2022/07/02
国名 日本
開催地
(都市, 国名)
横浜
学会抄録 神奈川整形災害外科研究会雑誌 35(1),10 2022
概要 症例は69歳女性。2ヵ月前にダンス中に右膝痛が出現、5日前にウォーキング後に疼痛が増悪し、膝関節可動域制限を伴ったため当科を受診した。既往歴にC型肝炎、29歳の交通事故で内側側副靱帯(MCL)損傷と診断され保存的治療を受けた。初診時、右大腿骨内顆部の自発痛・圧痛が著しく同部に骨性隆起物を触知し、熱感があったが、明らかな発赤を認めなかった。単純X線とCTにてMCLの大腿骨内顆付着部付近に石灰化結節を認め、MRIで大腿骨内顆辺縁の軟部腫脹を伴った炎症性変化と前十字靱帯(ACL)の菲薄化と骨化結節を認めた。ACL付着部剥離骨折とMCL損傷の既往があることからPellegrini-Stieda病と診断した。痛みで屈曲は15°に制限され、全荷重が困難であったため、ステロイドによる保存的治療を施行したが、痛みと可動域制限は改善しなかった。早期回復とスポーツ復帰を希望したため、骨化巣の摘出と鏡視下前十字靱帯再建術を施行した。術後2週で疼痛は消失し、屈曲90°可能、術後2ヵ月の現在屈曲140°まで改善し、短期であるが再発を認めていない。Pellegrini-Stieda病は捻挫や打撲の外傷後に生じる主にMCLの起始部を中心とした石灰化から誘発される疼痛や膝関節可動域制限の病態をいう。一般に保存的治療で改善するが、慢性期には再発予防も含め手術が施行されることがあり、今回われわれは比較的希なPellegrini-Stieda病の手術治療を経験したので報告する。