研究者情報 | |
オオヌマ ヒロユキ
ONUMA HIROYUKI 大沼弘幸 所属 医学部医学科 整形外科学 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 短母指外転筋腱を用いて再建した陳旧性母指橈側側副靭帯損傷の1例 |
会議名 | 第172回神奈川整形災害外科研究会 |
主催者 | 松下和彦 |
学会区分 | 地方会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎岩田英明, 松下和彦, 土田京太, 秀島貴博, 友近顕, 黒屋進吾, 小泉英樹, 大沼弘幸, 内藤利仁, 仁木久照 |
発表年月日 | 2021/07/10 |
開催地 (都市, 国名) | TKPガーデンシティPREMIUM横浜ランドマークタワー25F |
概要 | 母指MP関節橈側側副靭帯損傷は尺側の損傷と比べるとまれであり, 陳旧例に対して手術をする機会は少ない. 今回, 短母指外転筋(Abductor Pollicis Brevis:APB)腱を用いて再建した1例を経験したので報告する.
症例. 45歳, 男性. 左母指の背屈強制後, 左母指MP関節痛が出現した. 他医で加療するも改善せず, 受傷8か月後当科紹介となった. 左母指MP関節の橈側に圧痛を認め, 尺屈ストレスで疼痛が増強した. 単純X線像では基節骨が尺側に偏位しており, 尺屈ストレス撮影で疼痛は増強するが, 基節骨の尺側偏位の明らかな増大は認めなかった. 左母指を使っていると力が入なくなり, 日常生活で支障が大きいことより受傷後10カ月でAPB腱を用いた再建術を施行した. 術後6か月の現在, 不安定性はなく, 日常生活で使えるようになり経過良好である. 本法は, APB腱の停止部を温存したまま, 腱部を背側に持ち上げて側副靭帯起始部の中手骨に縫着する方法で, 1990年に武内らが報告した. APB腱は, 橈側側副靭帯停止部に近い母指基節骨底や橈側種子骨に停止する. したがって正常な側副靭帯と類似した走行で靭帯再建ができる点が本法の利点である. さらに, 腱移植を必要とせず侵襲が少ない, 有茎移植のため血行が温存され再建靭帯の強度が低下しないなどの利点もある. 本法は陳旧性母指MP関節橈側側副靭帯損傷の再建法として優れた方法と考える. |