ハギワラ ヒロコ   HAGIWARA HIROKO
  萩原裕子
   所属   医学部医学科 生理学(細胞・器官生理)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル CRF-Venus ΔNeoマウスの分界条床核外側部CRHニューロンのシナプス入力の性差ーホルマリンテストを用いて
会議名 第40回日本神経科学大会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎萩原裕子, 崎村建司, 井樋慶一, 舩橋利也
発表年月日 2017/07/20
開催地
(都市, 国名)
幕張, 千葉, 日本
概要 分界条床核(BST)は、神経内分泌および行動反応の制御に重要な役割を果たすことが知られている。 私たちはこれまで、BSTにおける痛み行動性差について報告してきた。この領域の特徴の1つは、コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)ニューロンの存在である。我々は、BSTL中のCRHニューロンが疼痛反応の性差に関連していると仮定した。我々は、CRHプロモーター(CRF-VenusΔNeo)の制御下で、CRH ニューロンを選択的に強発現する CRF-VenusΔNeoマウスを用いて、BSTLのCRHニューロンを指標に電気生理学的に検討した。CRF-VenusΔNeo マウスを CRH 抗体で免疫染色をしたところ、分界条床核における Venus 発現細胞は CRH ニューロンと一致していることを明らかにした。電気活動をパッチクランプホールセル法で膜電位固定法により-60 mVに電位を固定し、mEPSC(miniature Excitatory Postsynaptic Current)を検討した。本実験では、ホルマリン投与10分後において(対照群は生理食塩水投与)雌性マウスは雄性マウスよりも強い痛み行動が認められた。性差が認められたホルマリン投与10分後にイソフルラン麻酔下で脳を摘出し、スライス切片を作成しパッチクランプ実験に供した。実験の結果、雌マウスにホルマリンを投与した群でのみmEPSCの頻度が有意に増加することが分かった。平均振幅は、投与薬、性別にかかわらず変化しなかった。本研究の結果は、疼痛反応における性差が、少なくとも部分的にBSTLのCRHニューロンによって媒介され得ることを示唆している。