研究者情報 | |
ミナカワ ナオキ
MINAKAWA NAOKI 皆川直毅 所属 医学部医学科 整形外科学 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 競技スポーツ選手の外側半月板横断裂における術前待期期間と軟骨への影響について |
会議名 | 第43回日本整形外科スポーツ医学会学術集会 |
主催者 | 宮崎大学医学部整形外科 教授 帖佐悦男 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎嶋崎孝輔, 植原健二, 大野真弘, 皆川直毅, 木城智, 小林哲士, 大沼弘幸, 仁木久照 |
発表年月日 | 2017/09/08 |
開催地 (都市, 国名) | 宮崎県 |
学会抄録 | 日本整形外科スポーツ医学 37(4),528 2017 |
概要 | 【目的】当院で競技スポーツ選手の外側半月板縫合術を行った6例に関して、術前待機期間、関節鏡所見、Lysholm score、スポーツ復帰について検討した。
【対象】対象は2014年4月から2017年2月に当院で行なった競技スポーツ外傷における前十字靭帯損傷を含まない外側半月板横断裂損傷の6例6膝で、競技レベルは高校から大学までの部活動レベル。年齢は平均20歳(17歳-22歳)で男性6人であった。スポーツ種目はアメリカンフットボール4例、ラグビー1例、バスケットボール1例であった。 【結果】受傷から手術までの待機期間は平均15.3週(4週-45週)であった。術前Lysholm scoreは平均74点(61点-86点)であった。術中所見は全例で外側半月板横断裂を認め、外側コンパートメントの軟骨は、受傷後比較的早期に診断し手術となった4例ではInternational Cartilage Research Society(以下ICRS) 分類grade Iであった。受傷後に受診、診断に至るまでスポーツ活動を継続していた2例ではICRS grade IIIであった。手術方法はall-inside単独群1例、inside-out +自家末梢血由来fibrin clot(以下fc)群4例、all-inside + inside-out + fc群1例であった。術後Lysholm scoreは、現在リハビリテーション中の2例を除き、平均87点(60点-100点)であった。スポーツ復帰は平均16週(15週-17週)であり、復帰した4例中3例で完全復帰したが、ICRS grade III の2例中1例は術後Lysholm score 60点と改善を認めず復帰後も休養を繰り返している。他1例は手術後8週の現在、注意深くリハビリテーションを継続している。 【考察】外側半月板横断裂を放置したままスポーツを継続すると早期に軟骨損傷をきたし、また部分切除では術後に軟骨損傷が進行し、ハイレベルのスポーツ復帰に難渋するとの報告がある。自験例でも受傷から手術までの待機期間が長く、その間にスポーツを継続していた2例では手術時すでにICRS grade IIIの軟骨損傷が認められた。自験例では重度軟骨損傷を伴なっていなかった症例では完全復帰できていた。従って、スポーツによる外側半月板損傷では、不可逆的な軟骨損傷を防ぐために早期診断ならびに診断後は運動制限や受傷後早期の半月板修復術などの治療介入の検討が必須であると考える。 |