研究者情報 | |
マツイ カツオミ
MATSUI KATSUOMI 松井勝臣 所属 医学部医学科 腎臓・高血圧内科 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 巨大左心耳内血栓から両側腎動脈塞栓症を来たし血液透析導入となった一例. |
会議名 | 第46回日本腎臓学会東部学術大会 |
学会区分 | 地方会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎町田慎治, 松井勝臣, 田邊淳, 大石大輔, 白井小百合, 今井直彦, 柴垣有吾 |
発表年月日 | 2016/10/07 |
開催地 (都市, 国名) | 東京都 |
概要 | 54歳女性。特発性拡張型心筋症で通院中であった。入院11日前に嘔気・嘔吐を認めたが診察上、異常は指摘できず帰宅。入院当日、再度、嘔気・嘔吐が出現。血清Cr 5 mg/dlの急性腎不全を認め、当科紹介受診。乏尿性腎不全であり即日入院となった。入院後も利尿剤抵抗性の無尿が続き、第4病日より血液透析を開始した。また意識障害を呈したため、頭部CTを施行し、多発性脳塞栓症(出血性梗塞)を認め、腹部造影CTにて両側腎動脈の塞栓症を認めた。心臓超音波検査では左心耳内巨大血栓を認め、拡張型心筋症に伴う多発血栓塞栓症と判断した。出血性脳梗塞を呈していたことから、血栓溶解療法は施行せず、脳梗塞の急性期が過ぎるのを待って、ワルファリンによる抗凝固療法を開始した。しかし腎機能の改善には至らず維持血液透析導入となった。両側腎動脈塞栓症は稀な病態であり、本例のように出血性合併症を認める場合、有効な治療法が少ない。片側の腎梗塞であっても、虚血に対する標準的治療は明らかでない点が多い。今回、拡張型心筋症、巨大左心耳内血栓からの多発臓器塞栓症を呈した一例を経験したため、若干の文献的な考察を加えて報告する。 |