研究者情報 | |
シバガキ ユウゴ
SHIBAGAKI YUGO 柴垣有吾 所属 医学部医学科 腎臓・高血圧内科 職種 主任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 効果的な患者指導のエビデンス作成を目指した尺度開発と検証の実際. |
会議名 | 第61回日本透析医学会学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ・パネル(指名) |
発表者・共同発表者 | ◎栗田宜明, 脇田貴文, 福原俊一, 柴垣有吾 |
発表年月日 | 2016/06/12 |
開催地 (都市, 国名) | 大阪市 |
学会抄録 | 日本透析医学会雑誌 49(Suppl.1),380 2016 |
概要 | 医療者は、医療者視点の理論―すなわち、科学的な手法によって裏打ちされた生命予後改善のエビデンス―を教示して腎臓病患者の指導に当たる。その典型例は、「水分のとりすぎに気をつければ体の負担は少ない」という理論の教示である。しかしこれが必ずしも有効とは限らない場合もある。理由を言い聞かせても、水分制限の具体的な行動を習慣化することが容易でない腎臓病患者にも遭遇する。患者指導で他に着目できることがあるとすれば、それは患者視点の生活上の目標であり、また目標到達のために、身体の管理が手段となることを気づかせることもあるだろう。
我々はこの部分でささやかな貢献ができればと思い、「慢性疾患に有用なホープ尺度」の開発と検証を試みた。そのステップを次に示す:①まず、慢性腎臓病の患者などの慢性疾患を対象に半構造化インタビューを行い、内科専門医・計量心理学の専門家の共同作業で、慢性疾患の患者が抱くホープのドメインの抽出を試みた;②次に、健康関連 QOL の専門家の指導の下、「慢性疾患に有用なホープ尺度」の質問項目を作成した;③それから、30名程度の慢性腎臓病の患者を対象にパイロット調査を経て、質問項目をブラッシュアップした;④さらに、バイリンガルとの共同作業で、質問項目の翻訳・逆翻訳の作業を行った;⑤現在、開発した尺度の検証とアウトカム分析を目的として、慢性腎臓病の患者を対象とした多施設共同研究を行っている。 本セッションでは、①我々の尺度開発のプロセスの実際や、得られた知見の概要を提示して、②一緒に研究を行い、腎臓病患者に還元可能な成果を多く分かち合える同志にご参集いただけることを目標としたい。 |