研究者情報 | |
サクラダ ツトム
SAKURADA TSUTOMU 櫻田 勉 所属 医学部医学科 腎臓・高血圧内科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 急性肺水腫を生じた血液透析心不全患者の臨床的特徴. |
会議名 | 第59回日本腎臓学会学術総会 |
主催者 | 日本腎臓学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小板橋賢一郎, 冨永直人, 市川大介, 蜂須賀里菜, 小波津香織, 上原温子, 櫻田勉, 柴垣 有吾 |
発表年月日 | 2016/06/18 |
開催地 (都市, 国名) | 横浜市 |
概要 | 【背景】一般的な血液透析(HD)患者の心不全の治療は、緊急透析で除水を実施することである。近年、非透析患者の急性心不全の初期治療にてクリニカルシナリオ(CS)が提唱され、CS1においてはcentral volume shiftによって急性肺水腫(APE)を生じ、治療は血管拡張薬が第1選択となる。しかしHD患者にもこれが適応できるかは良くわかっていない。よってAPEを生じたHD心不全患者の特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】2010年4月〜2015年3月まで心不全にて緊急入院したHD患者30名(平均年齢72.3才、男性22名、糖尿病あり11名)を対象とし、診療記録より後ろ向きに抽出した。APE群(17名)と、それ以外のnon-APE群(13名)に患者を分け、各種パラメーターを検討した。 【結果】入院時とHD後または入院翌日のHb変化割合(ΔHb)は、有意にAPE群で低下していた(APE群 -12.2±9.7 %, non-APE群 -2.4±11.1 %, p<0.05, mean±SD)。また、入院時体重と入院前DWの変化割合( 5.7±4.7 %, 1.1±3.8 %, p<0.05)と、入院後初回HDの除水割合(5.6±2.0 %, 4.1±2.1 %, p<0.05)は、有意にAPE群で大きかった。 【結論】APE群で認めたΔHbの逆説的低下は、体液の分布異常(central volume shift)の証拠であり、HD患者の心不全でもCS1様の病態を生じていると考えられた。 |