ミムラ ヒデフミ   MIMURA HIDEFUMI
  三村秀文
   所属   医学部医学科 放射線診断・IVR学
   職種   主任教授
言語種別 日本語
発表タイトル 巨大乳腺悪性葉状腫瘍に対する動注塞栓術を行い切除術が可能となった一例
会議名 第27回関東IVR研究会
学会区分 地方会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者竹内直人、橋本一樹
発表年月日 2015/07/18
開催地
(都市, 国名)
東京、品川
概要 【症例】30歳代 女性
【主訴】左乳房腫脹、発熱、疼痛
【現病歴】当院受診1ヶ月前から左乳房腫脹、発赤、疼痛が出現し前医を受診。膿瘍形成を疑い切開したところ、多量の旧血性の排液が見られた。組織片の病理学的検索により葉状腫瘍が疑われ、当院乳腺外科紹介となった。
【経過】当院の病理学的検索では境界悪性葉状腫瘍と診断された。病変は小児頭大であり、一括切除すると植皮範囲が非常に大きくなってしまうことから、術前の腫瘍縮小目的で動注塞栓術が当科に依頼された。
左鎖骨下動脈造影にて feederは内胸動脈の2枝、外側胸動脈、上腕動脈からの異常な分枝の計4本と考えられた。2.2Fr.マイクロカテーテルでそれぞれの分枝を選択後、エピルビシン計30mgを動注し、100倍希釈Embosphere(300-500μm)総量80mLで塞栓した。塞栓のエンドポイントは腫瘍濃染が消失し、feederに造影剤が5心拍残存する程度とした。術後の疼痛は自制内で発熱は見られなかった。治療の認容性は良好と判断し、同様の方法で3週間後と6週間後にも動注塞栓術を施行した。初回施行後から速やかに腫瘍の縮小と浸出液の著明な減少が観察された。外来にて適宜デブリードマンを施行し、3回目の動注塞栓術を行った2週間後に植皮なしでの左乳房切除術が施行可能であった。
【結語】葉状腫瘍の標準的治療は手術であるが、大きさによっては広範囲な植皮を要する場合もある。本症例ではビーズを用いた動注塞栓術を術前に施行し、腫瘍を縮小させることで植皮なしで手術を行うことができた。塞栓後症候群の程度は軽く認容性は良好であった。