ハマグチ シンゴ   HAMAGUCHI SHINGO
  濱口真吾
   所属   医学部医学科 放射線診断・IVR学
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 当院における膵頭部領域のNBCA-lipiodolを用いた動脈塞栓術
会議名 第27回関東IVR研究会
学会区分 地方会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者橋本一樹
発表年月日 2015/07/18
開催地
(都市, 国名)
東京,品川
概要 <目的>当院での膵頭部領域におけるNBCA-lipiodolを用いた動脈塞栓術の現状を検討し、特に安全性と合併症について報告する。
<方法>当院で2005年9月から2015年3月において膵頭部領域で行われたNBCA-lipiodolによる動脈塞栓術21例について、ショック/CPAの有無、2週以内の死亡、原因疾患、塞栓血管、NBCA-lipiodolの希釈倍率、合併症、標的外塞栓について検討した。
<結果>患者の平均年齢は67.0歳、男性が17例。緊急塞栓術は14例で、塞栓術までの経過でショック状態に陥ったものが9例、うちCPAが4例であった。2週以内の死亡が4例に認められた。原因疾患は術後出血6例、十二指腸潰瘍4例、腫瘍浸潤3例、血流改変3例、ERCP後1例、動脈瘤2例、膵AVM1例、SAM疑い1例であった。塞栓血管は胃十二指腸動脈13例、下膵十二指腸動脈3例、膵アーケード2例、総肝動脈1例、背側膵動脈1例、腹腔動脈1例であった。NBCA-lipiodolの希釈倍率と症例数は2,3,4,5,6,7,8,10倍がそれぞれ1,3,3,2,1,1,7,3例であった。合併症は消化管穿孔1例、膵炎2例、肝梗塞1例、脾梗塞2例、壊疽性胆嚢炎1例、AGMLによる上部消化管出血1例、門脈血栓1例(重複あり)であった。標的外塞栓は4例で生じた。
<結語>膵頭部領域におけるNBCA-lipiodolを用いた動脈塞栓術は他の塞栓物質と比較して特に危険であるとは言えないが、塞栓の部位、適応、方法によっては重篤な合併症が起こりうるため、慎重な適応が必要である。