シバガキ ユウゴ   SHIBAGAKI YUGO
  柴垣有吾
   所属   医学部医学科 腎臓・高血圧内科
   職種   主任教授
言語種別 日本語
発表タイトル 腎後性急性腎不全における診断時貧血と長期腎予後の検討:多施設コホート研究.
会議名 第58回日本腎臓学会学術総会
主催者 日本腎臓学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎佐々木 彰,河原崎 宏雄,嶋 英昭,長沼 俊秀,長谷川 毅,柴垣 有吾
発表年月日 2015/06/06
開催地
(都市, 国名)
名古屋市
学会抄録 日本腎臓学会誌 57(3),488 2015
概要 背景:腎後性急性腎不全の長期的腎予後に関する疫学的検討は乏しいが、小規模の探索的研究で貧血が長期腎予後不良因子として指摘されている。

方法:平成18年12月〜平成22年2月に3施設を受診し腎後性急性腎不全の定義(「尿閉」、「腎後性急性腎不全」、「水腎症」の傷病名で、尿路閉塞解除後1週間以内に解除前より腎機能が改善)を満たした成人症例を対象とした。診断後6か月以降の追跡不能例は除外した。尿路閉塞解除直前のHb値で貧血群、非貧血群(Hb<、≧10g/dl)に分け、長期腎予後〔(診断後6か月以降2年以内のeGFR最高値)/(発症前のeGFR)〕について一般化線形モデルを用い比較検討した。

結果:対象は170人、年齢中央値は70歳、男性54.7% 、糖尿病患者20%であった。原因は悪性腫瘍が37.6%と最も多かった。年齢・性別・糖尿病・悪性腫瘍の有無で調整した結果、貧血群(58人)で腎予後が悪かった(点推定値 ‐0.096, 95%信頼区間‐0.168‐‐0.023: p=0.01)。

考察:腎後性急性腎不全で診断時Hb<10g/dlの場合は、長期腎予後が悪い可能性があるため、腎機能の長期的な経過観察が望ましいと考えられる。